ちゃちこがうちにやってきた

12年前のクリスマス寒波が押し寄せてきた寒い12月のある日。
わたしは1匹の白と茶色のちっぽけな野良猫の仔猫を捕まえた。

この猫の親猫は目つきの悪いサビ猫でうちの隣の隣の荒れ果てたひどくボロい空家を住処としていた。
その年の仔猫は白の長毛(この猫もいずれうちの猫となる)と白茶。

仔猫は時々1匹で最早お化け屋敷と化した古い空家の庭先に佇んでいた。
母猫に似ずに可愛らしいが薄汚れた仔猫であった。

そんな12月のある日、その仔猫お腹を空かせたらしくうちの庭(というほどのもんじゃなけど)に迷い込んできた。
そこを素早くわたしは捕獲。
なんと仔猫、これまた母猫に似ずにゴロゴロ言い出したじゃありませんか。

この仔猫の母猫はけして人に心を許さない孤高の猫。
君はかーちゃんに似なかったな!よかったよかった。

うちにはかーちゃんの代わりの猫がいるからな。
仲良くするのだ。

うちにはうちの初代ラッキーキャットのシーラが老いぼれながらも君臨していた。
可愛い仔猫はシーラを見るとすぐさま、、。「あっ!お母さんだ!」(間違っているよ)
と、ばかりにニャンニャンとシーラめがけて突進。
シーラ「この野良猫が(`Δ´)!」フカーーー!!と、怒り。哀れ仔猫を右前足で殴り飛ばす。
仔猫、殴られてコロコロ転がる。

わたし「お前は小さい者を労ろうって気がないのか!」

やっと打ち解けた頃の老いぼれシーラと仔猫時代のちゃちこ。

仔猫はちゃち、もしくはちゃちこと名付けられ風邪をひいていたのですぐさま動物病院に連れてゆきました。

生後3ヶ月の♂風邪の治療をしてもらいました。
だが、ちゃちこを拾ったその夜ひどい寒波が押し寄せ、冷たい雨まで降ってきた。
下手したらこの雨でしんでたかも知れない((((;゚Д゚))))

そのような経緯で当時、姉妹猫のシーラとちゃぴこのうちちゃぴこが亡くなった後、シーラ1匹となっていた中にちゃちこが仲間入りした。

時は息子高校3年生の冬、野球部を引退した年野球ロスに陥っていたわたしに新たな仔猫がもたらされた。
シーラは相変わらず仔猫の飼育には無関心ではあった。


ビビリ猫のちゃちこ。
階段から様子を伺う。

も少し顔を出した。

階段に姿を現した。
可愛らしい。


箪笥の前のちゃちこ。
奇跡的に仔猫時代の写真が残っていた。

ヒステリーシーラと、ビビリちゃちこがともに過ごした幸せな時代。
だが、シーラがちゃちこにたいしてあんまりヒステリーを起こさなくなったのはシーラが年取って猫が丸くなってきたため。
と、いうよりこの頃よりシーラは老いぼれが顕著となり、ちゃちこ如きビビリ仔猫に関心を払わなくなってきたため。と思われる。

だから猫が丸くなったのか?

だが、シーラは猫が丸くなるとともにお腹が弱くなりこれまた動物病院通い多し。
そして、ちゃちこはまだまだ踏んづけそうな仔猫だったので猫ゲージで過ごすことが多く、ちゃちこには仔猫用、シーラには年寄り猫用の給餌を続けるわたしであった。





仔猫と子供だった頃

今や大人となって家から出て、うちで一番の(たぶん)高給取りとなった息子もかつては小さな男の子だった。
そして、最早故猫となってしまったうちの初代ラッキーキャットのシーラ、その姉妹ちゃぴこも小さな仔猫だった。

子供も猫もすぐに大人になってしまう。寂しい。
息子、少年野球団に入る。
より早く、わたしたちがアパートに住んでいた頃、シーラとちゃぴこはやってきた。

そのアパート、今時には珍しく各部屋にベランダがあってそこに洗濯物を干す構造でなく、3階4階の住人は共同の洗濯物干し場、共有ベランダとでも言うべきか?
そこに洗濯物を干した。
布団も干した。ついでに子供プール持ち込んで使用済みの簡易プールも干した。

ベランダガーデニングもした。
夏場は横浜港の花火が見物できた。

なかなか出来た共同物干しであった。
ついでに飼い主に逃げられた猫たちの昼寝の場所も提供してた。

そんなん有りか?
って思います。たぶんNGだったんだろうけど、猫はやってきた。

そしてこのように
アル一家
背中を向けているのは白き大猫アル。
プランターに入っているのは左からサビ猫ちゃぴこ、白猫シーラ、そして一番右はお母さん猫バイカラーのぶっちゃん。

このあと、ちゃぴこ、シーラはうちの猫となり、アルとぶっちゃんはうちの2軒先の家に引き取られた。
世話をするブチこ
仔猫の世話をするぶっちゃん。

一族のうちに白猫クリストファーだけはいないが、孤高の猫、野生の猫と言われたクリストファーはこの頃から誇り高き猫らしく単独行動し新たなテリトリーの開発に旅立ってしまった。

確かにうちにクリストファーの写真が1枚だけあったので全力を上げて探し出しております。

だが野生の猫クリストファー一族とは最もつるまずに生きてはいたけれど、わたしたちに冷淡ということはけしてなく。
当時は息子は小さい子供だったのでチャリの後ろに子供座席をつけて乗せていた。

今のチャリ子供席のような立派なものではなかったが、一応装備していた。
その子供座席は昼も夜もクリストファーの寝場所となった。

猫は止まっているチャリ、バイクに乗るのが好きだがこの一族ではクリストファーが特化していた。
最も悪き猫として名が通ったのもクリストファー。

そしてある事件をきっかけに、アル、ぶっちゃん、シーラ、ちゃぴこたちとは違う波乱の猫生を辿り、とうとうクリストファー終の棲家にうちを選ぶ。